歯科・口腔外科の治療 DENTAL

歯科の治療 DENTAL TREATMENT

犬猫の歯の病気の怖さ

口腔内の問題は気づくのが遅れることが多いです。犬猫の歯磨きの習慣がなければ発見が遅れ、大きな問題になってしまいます。口の問題は様々な臓器に影響を与え、食欲がなくなったり、顎が折れてしまったり、生活の質を落とす要因になります。口の健康はワンちゃんネコちゃんの日常の健康を守る重要な役割を果たします。

DISEASE / TREATMENT 症状別の病気と治療法

  • 口臭がある、歯がぐらぐらする

    「歯周病」について

    歯周病は歯周病関連細菌によって宿主に炎症反応の結果、引き起こされる病気です。 歯肉、歯槽骨、歯周組織に炎症が及んだ状態です。
    歯肉炎(歯肉の炎症)+歯周炎(歯周組織の炎症)を総称して歯周病と呼びます。
    1990年の文献ですが、3歳以上の犬やネコにおいて85%以上に歯周病があると言われています。

    歯周病になるメカニズム

    歯と歯茎のポケットに歯垢(細菌の塊)が溜まる→細菌が炎症を起こす→歯周ポケットを形成する→細菌が増殖、環境悪化→歯周組織の破壊→歯が動揺、骨が溶ける

    歯周病の進行

    歯肉炎(歯肉の赤み、腫れ、出血)→軽度歯周炎(歯肉の付着が破壊歯根長25%以下の歯槽骨吸収)→中等度歯周炎(25〜50%の歯槽骨の吸収)→重度歯周炎(50%以上の歯槽骨に吸収、歯の動揺)

    歯周病の診断方法

    診察台にて、体、顔面、頭蓋の検査を実施、意識下で口臭、歯垢歯石ライトの使用をします。麻酔下にて、口腔内検査、プロービング、歯科X線検査を実施します。

    歯周病の治療方法

    基本治療は歯垢・歯石除去です。ただ症状が進行している場合は歯周外科や抜歯が選択されることが多いです。歯肉炎であれば正常な状態に戻すことができます。歯垢歯石をとってから予防も大事になります。歯磨き、シートなど日常的なケアも大事になります。

    無麻酔でのスケーリングの危険性

    無麻酔での歯垢歯石除去は実施しません。動物に対するストレスが大きく、音を嫌がるのはもちろん、暴れてしまったり、恐怖を与えることに繋がります。怪我をさせてしまう恐れもあります。またポケット内の歯垢や歯石を取れなかったり根本的な治療ができないためです。

  • 歯肉口内炎

    歯肉口内炎について

    猫の歯肉口内炎は、歯肉、口腔粘膜に炎症を生じる疾患です。ウイルスや細菌に対する宿主の過剰な免疫の結果生じていると言われています。ただ現在も詳細原因は不明です。

    口内炎の診断方法

    臨床的には口内検査を実施します。所見として左右対称で口腔粘膜の発赤や腫脹、浮腫、充血、出血が見られます。

    口内炎の治療法

    原因が特定されていないため、様々な治療法が報告されています。主に対症療法となります。

    外科

    全顎抜歯や全臼歯抜歯の実施

    内科

    ステロイドや免疫抑制剤、抗生剤や痛み止めなどの使用

  • 口腔内腫瘍

    口腔内腫瘍について

    犬での口腔内腫瘍の発生は比較的多く、全腫瘍の6%に発生しています。猫においては全腫瘍の3%に報告されています。犬では3種類の悪性腫瘍(悪性黒色腫、扁平上皮癌、線維肉腫)、1種類の良性腫瘍(歯原性腫瘍:旧線維腫性エプリス)が多く発生しています。猫においては悪性腫瘍である扁平上皮癌は60%占めていると言われています。

    口腔内腫瘍の診断

    組織生検を実施します。

    口腔内腫瘍の治療方法

    腫瘍の種類によりますが、基本は外科的摘出が第一になります。悪性であれば、追加で化学療法、放射線等も選択肢になります。外科手術の場合、外科マージン(腫瘍から離れた安全そうな部分)が必要になるため早期発見、早期診断が重要になります。

  • 破折

    破折について

    歯の破折は犬猫で起きる外傷の病態で、歯が折れたり割れる、欠けることを言います。 原因としては硬いものを噛むことで起きています。例えば、ひづめ、デンタルガム、鹿の角、硬い骨、ヒマラヤンチーズ、おもちゃが挙げられます。転倒や衝突で起きる割合は1割くらいになります。破折は肉眼的に判断できます。治療方針は破折の範囲、神経の露出、根尖周囲病変の確認等で変わります。

  • その他

    猫の吸収病巣

    歯に接する歯肉中の破歯細胞により歯が吸収される病気です。以前は虫歯と誤認されていました。原因は不明です。診断は口腔内検査、口腔X線によって診断します。治療はステージによりますが、抜歯、歯冠切除、経過観察等になります。進行性疾患であり、吸収されていく過程で痛みを伴うことが多いです。

    口蓋裂

    口蓋という上顎についている粘膜の名称ですが、先天的または後天的に口蓋正中での裂開を言います。穴が空いた状態のため、鼻腔にご飯や水が入ってしまったり、誤嚥性肺炎を起こしてしまいます。外科的な介入が必要になります。

    乳歯遺残

    一般的に生後6ヶ月で永久歯へと生え変わる過程で乳歯は脱落します。ただ中には乳歯が残ってしまい、なかなか抜けない場合があります。放置してしまうと、歯列に影響がでたり、将来歯周病のリスク因子となります。もし歯の本数が多い、歯が生え変わらない、抜けない等の症状がある場合は早めに病院にご相談して下さい。

    口腔鼻腔瘻

    歯周病の症状が進行した結果、鼻腔の骨が溶けて口腔内と鼻腔とで貫通してしまう状態。水やご飯を食べた時にむせたり、鼻水(膿性、出血)が出てしまいます。放置すると慢性鼻炎、肺炎へとつながるため注意が必要です。

    眼窩膿瘍

    歯周病、破折の結果、歯の神経や根尖周囲に感染を起こし膿が溜まってしまう。上顎第4前臼歯(後ろの大きな歯)で生じやすく、目の下が腫れて破れて、皮膚から膿が出てきます。気づかない内に症状が出ていることがあるので急に顔が腫れたらこの病気かもしれません。

    含歯性嚢胞

    歯の萌出する過程で嚢胞化したもので、萌出していない歯の影響で生じます。短頭腫で発生しやすく、下顎第一前臼歯に多くみられます。ゆっくり進行し腫れた見た目で確認できます。歯の本数が少ない、腫れている場合は病気の可能性があります。治療は患歯の抜歯と周囲の上皮の除去が必要です。

    唾液瘤

    唾液腺(唾液を分泌する腺)がなんらかの原因で、障害を受け唾液が漏れ出て周囲組織に貯留した状態です。喉の下や顎の下が大きく腫れる、波動感があるなどの症状が見られます。 腫れの頻度に応じて外科的摘出が必要になります。

ライズ動物病院ブログ